通夜振る舞いとは?親族・参列者へのマナーを解説【喪主・ご遺族向け】
通夜振る舞いは、通夜の後に参列者に感謝の気持ちを伝える大切な時間であり、お清めや供養の意味合いもあります。
本記事では、通夜振る舞いの基本的な知識やマナー、料理について詳しく解説します。
事前に知識を身につけ、いざという時に落ち着いて対応できるようにしましょう。
目次
通夜振る舞いとは
通夜振る舞いは、通夜の後に行われる食事の場であり、参列者の方々をおもてなしする時間です。参列者に感謝の気持ちを伝えるためのもので、家族や親族が主催者となって行います。
この時間は、食事をしながら故人との思い出を語り合ったり、参列者同士が交流する場となります。また、遠方から来た参列者へのおもてなしの意味も込められています。
ただし、通夜振る舞いの最中は、世話役やお手伝いの方は同席ができません。別室で食べてもらい、参列者が帰った後に同じようにおもてなしをします。
通夜振る舞いの料理
通夜振る舞いの料理は、主に精進料理が提供されることが多いです。しかし、最近では、故人の好きだった料理や地域の名物など、様々な料理が提供されるケースもあります。
料理の選び方や提供の仕方には、家族の考えや予算に応じて工夫が求められます。
具体的に挙げると、以下のような料理が多いです。
- 寿司
- 天ぷら
- 煮物
- 煮物
- 和菓子
通夜振る舞いと精進落とし料理の違い
通夜振る舞いの料理と精進料理は、似ているようで意味が異なります。
精進料理は、仏教の教えに基づき、肉や魚を使わない料理です。一方、通夜振る舞いの料理は、故人の好みや家族の考えによって、肉や魚を含む料理が提供されることもあります。
もともと精進落としは、身内に不幸があった場合に肉・魚・卵などの飲食を避け、四十九日の法要明けに普通の食事に戻すという習わしがありました。
ただし、現在は親族が何度も集まるのが難しいため、初七日の法要後や火葬場から戻った後に「精進落とし料理」を食べるのが一般的です。
通夜振る舞いの流れ
通夜振る舞いは、参列者全員が参加でき、以下の流れで行われます。
- 通夜振る舞いの案内
- 開会の挨拶
- 料理・飲み物の提供
- 参列者との交流
- 閉会の挨拶
- 会場の後片付け
通夜振る舞いの案内
通夜振る舞いは通夜の終了後、喪主または葬儀場のスタッフから案内します。
席順は決めておく場合と決めない場合があります。参列者が席順に迷わないように案内してください。
開会の挨拶
開会挨拶は、喪主が参列者への感謝の気持ちを手短に伝えます。
挨拶の最後に献杯(けんぱい)を行うことがあります。右手に飲み物を持ち、喪主の「献杯(けんぱい)」に合わせて故人に献杯します。
料理・飲み物の提供
料理と飲み物の提供は、参列者に失礼がないよう、十分な食事の量と飲み物を用意します。
また、アルコールを飲む方への準備も忘れないようにしましょう。
参列者との交流
参列者との交流の時間は、故人との思い出を語り合ったり、感謝の気持ちを伝える大切な時間です。
今後の家族の繋がりにもなるので、この時間を大切にしましょう。
閉会の挨拶
閉会の挨拶は、再び、参列者への感謝の気持ちを伝え、通夜振る舞いが無事に終了したことを告げます。
家族や親族からの感謝の言葉や、次の日の告別式の案内などを伝えることが一般的です。
会場の片付け
通夜振る舞いが終わった後は、家族や親族、葬儀社スタッフと協力して会場の片付けを行います。合わせて翌日の告別式の準備も行います。
通夜振る舞いの確認事項
通夜振る舞いを行う際には、以下の確認事項を把握しておくことで、スムーズに進めることができます。
参列者の数
通夜振る舞いを行う際、最も重要なのが参列者の数です。参列者の数によって、料理の量や席の配置、会場の大きさなどが変わってきます。
事前に招待状や連絡を通じて、大まかな参列者の数を把握しておくことが重要となります。
また、突然の参列者も考慮して、若干の余裕を持った準備をしましょう。
席順の確認
通夜振る舞いの席順は、故人との関係や家族の希望によって異なります。家族や親族、故人との関係が深い人々の席は、前方や主席に配置することが一般的です。
また、遠方から来た参列者や高齢の参列者には、通路側や出入りがしやすい席を用意すると良いです。
席順の確認は、事前に家族や親族と相談し、円滑に進むよう配慮することが重要です。
僧侶の同席の確認
地域や依頼する寺院によりますが、できれば僧侶に同席をお願いしましょう。僧侶が通夜振る舞いを欠席される場合は、御膳料(ごぜんりょう)を渡します。
御膳料の金額は5,000〜10,000円程度が相場です。葬儀が終わったあと、もしくはお通夜の前後にお車代と一緒に渡します。
通夜振る舞いにおける心構え
通夜振る舞いは、参列者への感謝を伝える時間ですので、準備だけではなく、細かい気遣いが重要です。
以下、具体的な心構えについて解説します。
感謝と尊重
通夜振る舞いに参列する方々は、故人との思い出や絆を持つ人々です。この場に足を運んでくれたことに対して、深い感謝の気持ちを持つことが大切です。
また、故人の生き様や思い出を尊重し、その価値を共有することで、参列者との絆が深まり、今後の関係性がより良いものとなります。
配慮と気配り
参列者それぞれが、故人との異なる関係や思い出があります。そのため、一人ひとりの気持ちや状況に配慮し、細やかな気配りをすることが大切です。お酌をしながらできる限り多くの方とお話をするようにしましょう。
特に、遠方からの参列者や高齢の方、体調が優れない方などへの配慮は欠かせません。通夜振る舞いでは、さりげない気配りが大切です。
共感と理解
通夜振る舞いの席では、多くの感情や思いが交錯します。参列者の話を聞き、その気持ちに共感し、理解することが大切です。
故人との思い出や感じていることを共有することにより、通夜振る舞いをより意味深いものとします。
親族、世話役、手伝いの方を労う
親族や世話役、葬儀を手伝ってくれる方は、参列者の案内や対応で食事ができていなかったりします。遺族がきちんと気を配り、食事や飲み物の準備をしておきましょう。
また、手伝ってくれた方達に感謝の言葉を忘れないようにしてください。心づけとしてお金を渡す場合は無理ない範囲でお礼をします。封筒で渡す場合は、表書きは「御礼」もしくは「志」と書きましょう。
通夜振る舞いの費用相場
通夜振る舞いの費用相場は、参加者1人3,000円くらいが一般的です。ホテルでの立食会などになると、3,000円〜5,000円程度になります。
準備する方法は主に以下の3種類です。
- 自宅で料理
- 仕出し屋に注文
- 葬儀社に任せる
仕出し屋や葬儀社に依頼する場合、注文する量は状況によってそれぞれ異なりますが、お通夜に参加する50〜70%程度で準備しておくと良いです。
また、料理の内容や量によって費用が変わりますので、事前にメニューの確認を忘れないようにしてください。
まとめ:通夜振る舞いは参列者への感謝の気持ちを込めて
通夜振る舞いは、参列者と故人を偲ぶ大切な時間であり、感謝の気持ちを伝える場です。
心からの感謝を込めて、最善のおもてなしをしましょう。故人との思い出話に溢れる、心温まる通夜振る舞いになれば幸いです。