葬儀に参列する場合の流れと基本的なマナーを解説【参列者向け】
葬儀とは、人が亡くなった際に行われるお別れの儀式です。一般的には通夜と告別式の2日間で行われ、故人への最後の挨拶となります。
しかし、葬儀の流れやマナーが分からないと不安に感じるものです。
そこで本記事では、葬儀に参列する場合の基本的なマナーから、参列できない場合の対応まで解説します。
葬儀がはじめての方でも分かりやすく解説していますので、ぜひお役立てください。
目次
通夜、告別式の受付方法
通夜や告別式に参列する際、まずは受付で名前を記入し、香典をお渡しします。
受付では、故人との関係や名前を明確に伝えましょう。香典袋には、自分の名前と住所を記入し、封をする際は表になるように気を付けてください。
ご自身の順番が来たら、香典を両手で持って受付の方にお渡しします。香典を渡す際に「この度はご愁傷様です」などの簡単なお悔やみを述べましょう。
挨拶を終えたら、芳名帳に名前を記載して受付完了です。
通夜に参列する際のマナー
通夜は喪服が基本ですが、喪服を持っていない場合は黒、紺などの目立たない服装で参列します。
その他、ご焼香や通夜振る舞い、故人と対面する際にマナーがありますので、それぞれ解説します。
ご焼香
ご焼香の際は、深く一礼し、お香を一つまたは三つつまみ、香炉に静かに落とします。焼香後は、もう一度深く一礼して退場します。
焼香の順番や方法については、事前に遺族や葬儀社のスタッフに確認すると良いでしょう。
通夜振る舞い
通夜に参列された方に対し、通夜後に料理やお酒が振る舞われます。地域によって内容は異なりますが、勧められた場合はできるだけ同席しましょう。
食事の席では会話のマナーに注意し、節度を持った行動をすることが重要です。
故人と対面
故人との対面は、心を込めてお別れをする大切な時間です。対面の際は、故人に向かって深く一礼し、心の中で感謝やお別れの言葉を伝えましょう。
<故人と対面する際の作法>
故人から一歩下がった場所で、故人に一礼します。
故人の近くに寄って、手を合わせます。
故人のお顔を覆っている布を、ご遺族があげてくださるので、故人と対面します。
手を合わせて、ご冥福を祈ります。
故人から、一歩下がります。
ご遺族に一礼をし、退席します。
対面するのが辛い場合は「お顔を見ると辛くなるので…」など、失礼のない言葉を選び、丁寧にお断りをします。
告別式に参列する際のマナー
告別式は、通夜と同様に厳粛な態度が求められます。式の進行に従い、静かに座席に着き、プログラムに沿って行動しましょう。
式中は携帯電話を消音にし、他の参列者の妨げにならないよう注意が必要です。
ご焼香
焼香の際は、静かに順番を待ち、指定された順番で進みます。焼香の方法は通夜の時と同じです。
出棺
出棺は、故人を見送る最後の瞬間となります。棺が運ばれる際は、立ち上がって静かに見守りましょう。
遺族が先導することが多いので、その後に続いて見送るのが一般的です。
火葬
火葬は、故人が最後に身体を委ねる場所として、敬意を払う必要があります。
火葬場では、遺族とともに静かに待機し、指示に従います。火葬が始まる前は、故人との最後のお別れになります。
喪主の会社関係
喪主が会社関係者である場合、その関係者に対する配慮も必要です。会社関係者として参列する場合は、喪主との関係性や会社の立場を考慮した振る舞いを心がけましょう。
また、会社からの弔辞や花輪などの手配がある場合は、事前に確認しておくことが望ましいです。
精進落とし
精進落としは、葬儀が終わった後に行われる食事会です。故人を偲びながら、遺族や参列者との交流を深めることができます。
ただし、この場ではあくまで故人を偲ぶことが目的であり、大声での会話や騒がしい行動は控えるようにしましょう。
葬儀に参列する際に気を付けるべきマナー
葬儀に参列する際は、故人と遺族を気遣い、マナーを守ることが大切です。
注意するポイントをそれぞれ解説します。
香典に新札を包まない
香典に新札を使用するのは避けましょう。新札は「新しい」という意味合いがあり、故人との別れを新鮮なものと捉えるかのような印象を与えます。
そのため、既に使用済みで、状態が良い紙幣を選ぶのが適切です。
香典袋には、故人への敬意を表す言葉を添え、心を込めて包みましょう。
葬儀に遅刻しない
神聖な場での遅刻は厳禁です。やむをえない事情で葬儀に遅刻する場合は、できるだけ目立たないように静かに入場し、適切なタイミングで参列するようにしましょう。
式が進行中の場合は、入口近くの席に座るなど、遺族や他の参列者に配慮することが大切です。
また、遅刻の可能性がある場合は、事前に遺族や葬儀の担当者に連絡を入れることが望ましいです。
知り合いと長話をしない
葬儀は故人を偲び、遺族に哀悼の意を表す場です。知り合いとの再会があったとしても、葬儀の場では長話を避けるべきです。
長い会話は周囲の参列者や遺族に配慮が足りないと受け取られます。
また、葬儀の進行に影響を与えることもあり得ます。挨拶は必要最低限の会話に留め、葬儀が終わった後に改めて連絡を取り合うなど、別の機会に話をしましょう。
遺族と長話をしない
葬儀においては、遺族の方々が多くの参列者を迎え、心身ともに疲弊していることが多いです。そのため、遺族との会話は簡潔に済ませることが望ましいです。
挨拶や哀悼の意を表す際も、短く心を込めた言葉を選びましょう。他の参列者への配慮も忘れずに、遺族との会話は必要最低限に留めます。
小さなお子様を連れていかない
葬儀は厳粛な場ですので、小さなお子様を連れて行くことは避けるべきです。
子どもたちは、葬儀の重みや静かな雰囲気を理解するのが難しく、泣いたり騒いだりすることで周囲に迷惑をかける可能性があります。
また、葬儀の場は感染症のリスクも考慮する必要があるため、特に小さな子どもの健康を守るためにも、参列は控えることが望ましいです。
どうしても連れて行かなければならない場合は、葬儀の性質や遺族の意向を十分に考慮し、適切な対応を取るようにしましょう。
ご遺族に亡くなられた原因を聞く
葬儀に参列する際、故人の死因について遺族に尋ねることは避けるべきです。
このような質問は遺族にとって非常にデリケートで、さらに心理的負担を与える可能性があります。
故人の死因は個人的な事情に関わることが多く、遺族が公に話したくない内容であることも少なくありません。
葬儀は故人を偲び、遺族を慰める場であり、好奇心を満たす場ではないことを心に留めておくことが大切です。
故人への哀悼の意を表し、遺族に対しては配慮深い態度を取ることが求められます。
葬儀に参列できない場合の対応
葬儀に参列できない場合でも、適切な対応を取ることが重要です。
不参列の理由は、仕事の都合、健康上の問題、遠方であることなど様々ですが、遺族への敬意を示すためにも、丁寧な連絡と適切な方法での香典や供物の送り方が求められます。
不参列の連絡はできるだけ早めに、そして故人への哀悼の意を表す形で行うことが望ましいです。
不参列の連絡方法と例文
葬儀に参列できない場合、遺族への連絡は電話やメールで行うことが一般的です。
連絡する際は、故人への哀悼の意を最初に述べ、その後で不参列の旨を伝えます。
電話で伝える場合は「やむ得ない事情で、葬儀に参列できない」と伝えると良いでしょう。
香典・供花・供物の送り方とタイミング
香典や供花、供物は葬儀に参列できない場合でも送ることができます。
香典は封筒に入れ、宛名を書いて郵送するか、信頼できる人に託して葬儀場に届けてもらいます。
供花や供物は葬儀社を通じて手配することも可能です。送るタイミングは、葬儀前日までが望ましいですが、事情により遅れる場合は葬儀後でも構いません。
まとめ:葬儀への参列はマナーを守って故人を偲ぶことが大切です
葬儀への参列は、葬儀の流れやマナーをよく理解しておくことでが大切です。
また、参列できない場合でも香典や供花を送り、哀悼の意を伝えましょう。
心を込めた行動をすることで、故人やご遺族にもしっかりと伝わります。